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随一の飛行能力を誇るアジサシの生態~鳴き声、色、コアジサシとの違いとは?

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アジサシ(鯵刺)は、チドリ目カモメ科の鳥類です。学名はSterna hirundo。英語表記はCommon Tern。
体長35前後で身体の大半が白色で占められ、下から見るとより大きく見えます。

翼と尾羽がシャープでスマートな飛行機のような形状で、上空から水中に飛び込み魚などを捕食します。

近年日本では、見かける個体数が減ってきており、生態環境の悪化が懸念されています。

海で餌を探し自由に飛び回り、ダイブするアジサシは観察して実に気持ちいい鳥です。

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アジサシの生態

アジサシは日本に群れでやってきて、海岸や近くの河川、池などを中心に暮らす事が多いです。

主食は、水中にいる魚類がメインで、上空で獲物を探し、時にホバリングをして狙いを定めダイブして魚を捕らえます。
コアジサシに混ざっている事もあり、カヌーで海上にいるとアジサシの仲間達で獲物の魚集団を見つけ、声を出し合って魚の群れを追いかけているシーンに出会う事もあります。

湿地、陸地ではカニや昆虫を捕食することもあります。
小さな足ヒレも付いていますが、ほとんど泳がず、水中でのバランスコントロールに役立てている様です。

繁殖は、4~8月頃にコロニーで行い、巣は海岸や河川、湖畔の砂地の窪みで、草木を集めて作るのですが、コアジサシのコロニーでの繁殖例も報告されています。

また、稀に海の無いエリアでの繁殖例もあります。

産卵数は2~3個くらいです。
人目につかない場所で作る事が絶対条件で、都会近郊では難しいのが現状です。

静かな環境下で営巣する事がほとんどなので、人の野鳥観察などによる干渉には注意したい鳥でもあります。

アジサシの分布

繁殖は日本を含め、ユーラシア大陸中部~北部、北アメリカ中部~北部の広域で繁殖しており、越冬はアフリカ、オーストラリア、南アメリカなどの熱帯域から南半球にかけての沿岸部で過ごします。

日本には渡りルートになり、春と秋に全国各地で見かけ、時に越夏する個体もいるようです。
日本国内でも沖縄、富山、群馬、東京都などでの繁殖も確認されています。

アジサシは北半球と南半球を長距離移動する、海洋性野鳥といえます。

さらに、アジサシの仲間には最大飛行距離が4万kmにもなるものもいて、北極圏で繁殖し、夏になると南極大陸付近に南下、翌年の春には北極圏に戻るという飛行力です。

その生涯の移動距離は地球から月までの距離に匹敵するといわれています。

鳴き声

アジサシは、『キュイ キュイ』 『ギュイッ、ギュイッ』 『ギリッ ギリィ』ような声でなき、うるさく鳴く様な感じもします。
他の鳥とコミニケーションを取るために鳴いている様です。

コアジサシとの違い

コアジサシとの違いですが、まず大きさがコアジサシが25cmくらいに対し、アジサシは一回り大きく35cmくらいあります。

配色の違いですが、コアジサシは額が白なのに対しアジサシは黒です。
嘴はコアジサシは黄色で先だけが黒なのに対しアジサシは黒です。

飛行面ですが、コアジサシは直線的に飛ぶ様に見えるのに対し、アジサシはなだらかに飛んでいる印象があります。

海面の魚を狙い、ダイブする時は、コアジサシに比べてアジサシの方が高い位置からダイブするとされていますが、これは体の大きさが関係しているものと思われます。

求愛給餌活動は、コアジサシは良く見かけるが、アジサシは遥か彼方の干潟などで稀に求愛らしき行動を行う程度で、国内での給餌はほとんど見かけません。

人を警戒した生活背景が影響しているのかもしれません。

関連記事:コアジサシが絶滅危惧種となっている理由~生態、分布、どんな鳴き声?

色合い

色合いですが、上面は青みがかった灰色、翼の先、嘴は黒、額は黒ですが冬毛になると白になります。

下面全体は白色になり、下から見ると実際より大きく見えます。
夏羽はスッキリシャープなので白、グレー、黒の配色がシンプルで良く見えますが、

冬羽はぼさぼさしてるので、スッキリせず、あまりきれいに見えません。
幼鳥は背中や肩、三列風切羽に褐色味があり、嘴基部に赤みがあります。

まとめ

世界に44種類くらいいるアジサシ。
海で、まるでアジを刺して獲る様子から、アジサシ(鯵刺)と名付けられました。

特徴は、全体的に白く、飛行機の様なスマートな翼と尾羽。

但し、冬羽はぼさぼさして、スマートには見えないので観察や撮影的には夏羽が良いかもしれません。

春と秋に日本各地でも海岸で良く見かけますが、警戒心が強く繁殖地は限られます。

アジサシを観察する時は、個体にプレッシャーを掛けない様に距離を置いて観察しましょう。
また、コアジサシの中に混じっている時もあるので、よくチェックしてみてください。

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