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キツツキの一種、アリスイの生態、鳴き声~色、食性、観察はかなり難しめ?

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アリスイという鳥をご存知ですか。

名前が似ている哺乳類の「アリクイ」のように長い舌を持ち、アリを食べるキツツキ類の鳥です。

アリクイのような鳥、という例えと奇妙な生態の為「不吉の象徴」とも呼ばれていますが、実際に見てみるとつぶらな瞳が印象的でとても可愛い鳥です。
そんな不思議なキツツキ、アリスイのことを詳しく見ていきましょう。

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アリスイの生態・特徴


アリスイは、キツツキ科アリスイ属に分類されている鳥です。

「体の大きさに対して舌が最も長い鳥」としてギネス世界記録を更新しています。
全長は17~18cmと小柄でスズメ程の大きさですが、その舌は最大で10cmもあります。

英名ではEurasian Wryneckという名前ですが、「Wryneck」とは曲がった、もしくはねじれた首という意味で、アリスイが頻繁に首を曲げ後ろを向くことから付けられたそうです。

これは警戒のために辺りをうかがっているのですが、その行動から不吉の象徴などと呼ばれるようになってしまったのでしょう。

また、キツツキは自分でつついて掘り巣穴を作りますが、アリスイは自分では巣を作らず、他のキツツキが使っていた巣を利用したり、人の作った巣箱でさえ利用する習性があります。

関連記事:おなじみのキツツキ、実は種類が豊富で特徴も各種で異なるのはご存じですか?

分布

ヨーロッパから日本まで連続して分布しており、日本では北海道、東北地方北部の林の周辺や草地で「夏鳥」として繁殖します。

一方で冬に本州以南で見かけることもできるのですが、これは越冬の為に渡って来る為で、「冬鳥」という認識もされています。

平地や低い山地の林、森林、湿地などでよく見られ、餌場となる地面や岩の上にいる事が多いです。
繁殖期は5月~7月で他のキツツキが使っていた巣や人が作った巣箱などを利用して、6~10個の卵を産みます。

地面に空いた穴などを利用することもあるそうです。
卵はメスが温め12日~14日程で孵化し、20日程で巣立っていきます。

観察の難易度

バードウォッチャーの間でもアリスイはめったに見られない鳥とされています。

しかし、爬虫類ぽいウロコのような羽毛、奇妙な生態を持つ為、マニアックなファンも多いのだとか。

アリスイは枯れ草や木枝と同じような保護色で地面にいると殆ど分からない事が多く、動きがないとなかなか見つけられません。

地面でアリを食べている事が多いのですが、地面の色とも同化するので本当に難しいです。
冬場は木枝の高い位置に止まって囀っている事もあるので、その囀りを頼りに枯木を見上げる人が多いようです。

アリスイの鳴き声


地鳴きは「キッ、キッ、キッ、キッキッキー」とけたたましく鳴き、繁殖期には「クイ、クイ、クイ」と鋭い声で繰り返して鳴きます。

このさえずりは、縄張り主張やメスに対する求愛の意味があります。

それはまるでモズの高鳴きのようにも聞こえるともいわれています。

モズは小鳥の鳴き声の真似する鳥で有名ですが、モズの鳴き声とアリスイの鳴き声は元から似ているせいか、間違う場合も多いようです。
「キュー、キュー、キュー」や「キッ、キッ、キー」と聞こえてきて、おなじみのモズだと思っていたらアリスイだった、という事も考えらえます。

食性と長い舌

食性は完全な動物食です。

アリスイという名の通りアリを捕食することに特化した長い粘着質性の舌を持っていて、アリの巣の中に舌を入れてアリを絡め捕り食べます。

アリを食べるので地面にいることが多い鳥で、アリスイがいた場所調べると大抵アリの巣があります。

基本は地表のアリを捕食しますが、木の枝をつついて穴を開け、そこから長い舌でアリを引っ張り出して食べることもあります。

また、アリの他にも蜘蛛や蛾なども捕食します。

海外のアリスイにはコガネムシ、バッタ、アブラムシ、カブトムシ、カゲロウなどを食べている個体もいるようです。
アリスイの巣穴の中にカタツムリの殻が残っていたという事も報告されているので、アリの他にも様々な昆虫を捕食しているのでしょう。

グレーっぽい背中に赤茶色や焦げ茶のまだらな模様が入っており、ウロコのように見えます。
頭部から背中にかけて黒っぽい線があり、頭の両側面や肩にも黒い斑紋が入っています。

喉から胸部にかけては黄褐色の羽毛で覆われ黒褐色の横縞が入っており、尾羽には黒褐色の横縞が5本ほどみられます。
尾羽をよく見ると、他のキツツキの尾の先端部が分かれているのに対しアリスイの尾の先端はほぼ直線になっています。

まとめ

爬虫類の様なウロコ状の羽毛を持つ事や、手で掴むと首を長く伸ばして威嚇する事もあり、「恐竜のような不気味な鳥」「不吉の象徴」などと比喩されているアリスイ。

ですがこれは命を守るために進化したことであり、人が勝手にネガティブな印象を付けてしまっただけ。

よく見ると、小さくもちもちとした丸っこい体につぶらな瞳がとても可愛い鳥なんです。

とても見つけにくい鳥ですが、冬は枯れ木のてっぺんにちょこんと止まっていることもあるそうですよ。
もしアリスイに出逢った際は、ネガティブな印象を捨ててその変わった生態をじっくり観察してみて下さいね。

-アリスイ, キツツキ, 冬鳥, 夏鳥

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