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旅鳥?留鳥?季節限定?日本における野鳥は5つの区分に分かれます!

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どの季節でも見ることができる野鳥もいれば、特定の季節にならないと日本にやって来ない野鳥もいます。はっきりと渡り鳥だと分かる野鳥もいますが、いつも身近にいるようで実は海を越えてはるばる遠方から渡ってくる野鳥だった、ということもあるようです。

日本に生息する野鳥は、季節によって見ることができる鳥と一年を通していつでも見ることができる鳥などで「区分」することができといいます。その区分とは?そしてそれぞれの区分の代表的な鳥について、じっくりとご説明しましょう。

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野鳥はいくつかにグループ分けされます


野鳥をいくつかのグループ分けするなら、どんなふうに?
「目」や「科」などの種類別、大きさや食性、山林に住むのか水辺に住むのか生息域で分けることもできますね。

そのほかにも、渡りの区分で分類することができるのですがご存知でしょうか?
日本で見ることができる野鳥はすべてその渡り区分が割り当てられており、それによるグループ分けも可能です。

「渡り」と聞くと、渡り鳥を思い浮かべるのではないでしょうか。

寒い季節になるとシベリアから渡ってくるハクチョウや、春になるとやって来るツバメなどは代表的な渡り鳥です。
でもそんな風にはっきりと季節限定で見られる鳥だけでなく、日本国内にとどまって一年中常に見ることができる鳥も、すべての野鳥は渡りによって区分することができます。

「夏鳥」「冬鳥」「留鳥」「旅鳥」「漂鳥」、それぞれの区分についてどのような特徴があるのか、また、どんな鳥がその区分に属するのかを次にご紹介します。

夏鳥について

夏鳥とは、夏季に日本で見ることができる鳥です。

日本よりも南の地域から繁殖のために渡って来ますが、主な越冬地は東南アジアで春先から初夏に渡来して日本で繁殖し、秋口になると再び越冬地に戻って行きます。

渡ってくる時期は同じ鳥でも地域によって差があり、気候や環境、エサが確保できることなどで渡来する時期が違ってきます。
また、夏鳥の多くがメスよりもオスの方が先に渡来することが知られており、これは条件の良い縄張りを確保し、繁殖に有利なようにするための行動だといわれています。

夏鳥だからといってすべてが日本と海外とを移動するのではなく、ヒヨドリのように日本列島周辺だけに生息し、9月から10月にかけて日本国内で西や南に移動する鳥もいます。

代表的な夏鳥

ツバメ


以前は九州へは渡って来ないとされていましたが、最近の調査では北海道から鹿児島まですべての県で生息が確認されています。3月下旬~4月下旬頃に渡来し、9月~10月にかけて東南アジアへ戻って行きますが、まれに越冬する個体もいるようで、この場合は繁殖地が日本よりも北の地域ではないかと考えられています。

カッコウ


5月以降に渡来する鳥で、九州以北の林、草地に生息します。渡来が他の夏鳥よりも遅いのは、カッコウ独特の習性である「托卵(卵を他の鳥に預ける繁殖習慣)」が関係している、あるいはエサとなる大きな毛虫などを捕獲しやすい時期に合わせているからともいわれています。

冬鳥について

冬鳥とは、日本より北の地域から越冬のために渡ってくる鳥です。
秋口になると日本に渡ってくるのですが、代表的な冬鳥であるハクチョウは冬の到来を告げる鳥だともいわれています。

ハクチョウを含む日本で見られる冬鳥の多くは、夏季はシベリアで繁殖し、厳しい寒さを避けるために日本や東南アジアへ渡って冬季を過ごします。

冬鳥として区分されている鳥でも、地域によっては夏に繁殖する夏鳥として区分されてることがあります。

日本国内でもその地域によって気候条件が異なるので、同じ種類の鳥が越冬地として選ぶ地域もあれば繁殖のために訪れる地域もあり、そのために地域によって夏鳥が冬鳥に、冬鳥が夏鳥として区分されることもあります。

代表的な冬鳥

ハクチョウ類


冬の渡り鳥といえば、真っ先に思い浮かぶのがハクチョウではないでしょうか。

夏季はシベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、晩秋から初冬にかけて日本に渡来します。オオハクチョウは全長140㎝~165㎝、コハクチョウは全長115㎝~150㎝とオオハクチョウよりも小柄です。

シメ


日本国内の広い地域で、1年を通して見ることができる鳥です。本州以南では冬鳥ですが、北海道では夏鳥として区分されています。北で繁殖した個体は、冬季に南方へと渡ります。

ユリカモメ


海でいつでも見ることができるという印象がある鳥ですが、実はユリカモメも冬鳥に区分されています。繁殖地はユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどの寒冷地で、冬になると北海道から南西諸島まで日本全国の海岸、河川、沼地などに渡来します。

留鳥について

留鳥とは、日本国内で同じ地域に一年中生息し繁殖をする鳥です。

基本的には季節によって移動することがない、渡りをしない鳥なのですが、同じ個体がずっと同じ場所にいるとは限らず、繁殖した個体が他へ移動するというのは確認されています。

日本国内に鳥類は約600種生息しているといわれていますが、このうち留鳥と渡り鳥の比率は4対6、留鳥が40%で渡り鳥が60%です。ただしこれは本州、四国、九州地方の比率で、沖縄や北海道では2対8、つまり留鳥はわずか20%となっています。

一年中見ることができる鳥よりも、季節によって渡ってくる鳥の方が多いとは、ちょっと意外ではありませんか?

代表的な留鳥

スズメ


どこにでもいる鳥、いつでも見ることができる鳥といえばスズメでしょう。スズメ目スズメ科スズメ属に分類される鳥で、日本を含むユーラシア大陸の広い範囲に分布しています。日本では人家の近くの生息し都市部でも見ることができますが、ヨーロッパでは主に農耕地帯に生息し都市部ではほとんど見ることができないといいます。

カラス

これも日本中どこでも見ることができる鳥ですが、都市部で多く見られるのはハシブトガラス、農耕地帯で見られるのはハシボソガラスです。
本来はどちらのカラスも山間部などの森林地帯が生息域でしたが、ハシブトガラスは近年都市部で急速に分布を広げています。

旅鳥について

旅鳥とは、春秋の移動途中に日本へ立ち寄る鳥です。

繁殖地は主に日本よりも北方、越冬は日本よりも南方で行います。
なぜ日本に立ち寄るのか、それは日本を「旅の宿」にしているからです。

これらの旅鳥は移動する距離が非常に長く、目的地まで継続して一気に飛び続けることができません。
そこで、通り道にあたる日本を中継地にし、しばらく休息をとってから再び旅を続けます。

繁殖するわけでもなく越冬するわけでもない、ただの休憩所として日本を選びリフレッシュしてからもうひと頑張りするわけですね。

代表的な旅鳥

エゾビタキ


夏季にシベリア南部、サハリンなどで繁殖し、冬季は温かいフィリピンやニューギニアなどへ南下し越冬します。日本ではその旅の途中、春と秋の渡りの時期に立ち寄ります。春よりも秋の方が通過する数が多く、その時期は日本各地でよく見かける鳥です。

チュウシャクサギ

繁殖はシベリア中央部や東部、越冬はフィリピンやオーストラリアです。日本ではちょうど田んぼの代掻きの時期になると見ることができます。

アオアシシギ


ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季はアフリカやインド、東南アジア、オーストラリアへ渡来し越冬します。日本では春と秋に全国的に渡来しますが、沖縄県では越冬する個体も確認されています。

漂鳥について

漂鳥とは、季節によって日本国内を移動する鳥です。
暑さや寒さを避け過ごしやすい環境を求め、繁殖地と越冬地を区別して過ごしています。

渡りをするのですが、ハクチョウやツバメのように日本から国外、国外から日本へ渡るような長距離の移動はしません。
山地から平地に移動するなど比較的近距離を移動しますが、中には北日本で繁殖し、本州以南で越冬する鳥もいます。

生息地によっては一年を通して繁殖にも越冬にも適していることがあるので、この場合同じ種類でも「留鳥」として留まり移動はしないこともあります。
また、日本国内で移動していると思われていた鳥なのに大陸から渡ってくる個体が確認されることがあり、この場合漂鳥なのか冬鳥なのか判別できないことも多いといいます。

代表的な漂鳥

アオジ


これまでは山地から低地に移動する漂鳥だとされてきた鳥ですが、中にはカムチャッカや北海道から南下してくる個体も確認され、その場合は冬鳥になるようです。繁殖は北海道や本州中部以北の山地で、冬になると関東以西の積雪のない地方に移動し、林や葦原、藪などに生息します。

ヒヨドリ


これは漂鳥でもあり、留鳥でもある鳥です。もともとは10月頃に渡来し4月頃に帰っていく冬鳥でしたが、東京では1970年以降に留鳥として一年中生息するようになりました。また、北海道では今でも秋になると本州や四国、九州へと渡る漂鳥です。

ウグイス


日本全国の平地から山地の林などの藪に生息・繁殖し、秋になると山地に住む個体は平地へと移動します。「ホーホケキョ」というさえずりは、梅の花咲く春のみだと思われていますが、山地では春先から盛夏まで聞くことができます。

まとめ

一年中身近にいる鳥だと思っていたら、はるばる海外から長旅をしてきた鳥だったり、ほんの少しの間だけ立ち寄っていただけの鳥もいるのですね。

日本列島は縦に長く北と南ではかなり気候条件が違うので、鳥も自分の都合に合わせて冬鳥になったり夏鳥になったり、移動しなくてもいいやと留鳥になったりとはっきりと区分できない場合も多いといいます。

また、近年の異常気象の影響もあるようで、野鳥も住む場所をどこにするのか戸惑うことがあるようです。
これまでの区分が当てはまらなくなり、意外な野鳥を目にすることもこれからもっと増えてくるのかもしれませんね。

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