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ブッポウソウ 夏鳥

ブッポウソウの生態、鳴き声、観察のポイントは?名前の由来は人間の勘違いによるものでした。

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プッポウソウという名前の鳥を知っていますか?

時に漢字で仏法僧ともされる、知る人ぞ知る不思議な名を持つ鳥ですが、実際には見た事がないという人が多いのではないでしょうか。

今回はそんな「プッポウソウ」という鳥の美しく色鮮やかな外観、鳴き声や生態などを詳しくご紹介していきます。

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ブッポウソウの生態・特徴


ブッポウソウは、鳥綱ブッポウソウ目ブッポウソウ科に分類される鳥です。

環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されており、現在も保護団体などが絶滅を阻止する運動に取り組んでいます。

また、瑠璃色の体に光が当たると美しく輝くので森の宝石と呼ばれ、写真家の間でも人気が高い鳥でもあります。

体長は約30cmで光の角度によって青や緑に見える胴体を持ち、頭部は黒色、嘴と足は赤色をしています。
止まっている時は見えませんが飛ぶと翼の白い斑が目立ちます。

食性は動物食でセミや硬い甲虫類などの昆虫を捕食するのですが、飛翔しながら急降下して獲物を捕まえるフライイングキャッチが得意です。

また、光る物が大好きで貝殻やアルミ、プラスチックなどを集めて巣に持ち帰る習性があります。

これは異性へのアピールに使う他に、飲み込む為というから驚きです。

彼らは驚く程強靭な胃を持ち、硬い甲殻類を胃ですり潰す為にこれらを一緒に飲み込むのだそうです。

分布

プッポウソウは主にユーラシア大陸東部とオーストラリアで繁殖します。

日本には、ボルネオ島を中心とする東南アジアからはるばる4000km飛来し、夏鳥として本州や四国、九州で繁殖します。
そして冬は再び東南アジアに帰っていきます。

平地から山地まで分布し、水辺に近い森林に生息し、特にスギやヒノキの木を好んで住み着きます。

昔は寺や神社などの大きな木の幹や木製の電柱等に巣を作って繁殖してきましたが、時代の変化と共に電柱がコンクリートや鋼管に変わった為、生息数が激減したとも言われています。

ブッポウソウの観察のポイント


現在は限られた生息地でしか見ることが出来なくなっているプッポウソウ。
しかも警戒心が強いので、じっくり観察するのは大変困難です。

飛来数も年々減り続けている為、生息地の殆どで巣箱を儲けるなどの保護活動が行われています。

巣箱のない場所でブッポウソウを探す場合は、比較的渡来数の多い地域、広島県や岡山県辺りがいいでしょう。

4月下旬には設置した巣箱で子育てが始まりますが、ブッポウソウの観察にはマナーが必要となってきます。
繁殖を脅かす存在はカラスや蛇など自然界に沢山存在していますが、彼らが一番恐れるのは繁殖場所である巣箱の近くに長時間いる人間です。

巣箱に注目する人間の気配に気付くと遠くから見守るだけで巣箱に戻ろうとしません。
親鳥が長時間巣箱へ近づけないと餌を運べなくなり、ヒナに致命的なダメージを与えてしまいます。

観察をする場合は必ず公園管理事務所等に申し出る撮影は巣箱から最低50m以上離れた場所から行う、というルールがあります。

絶滅回避の為にも観察の際は必ずマナーを守って下さいね。

鳴き声


プッポウソウは「ゲッ」という低く濁った声で地鳴きします。
普段はめったに鳴かない鳥で、連続して鳴くこともあまりありません。

しかし、巣にカラス等の天敵が近付くと、初めは独立した声で「ゲッ」「ゲッ」と鳴いていますが、そのまま敵が更に巣に近付くと「ゲゲゲゲーゲゲゲッ!」と連続して鳴きます。

そして敵がさらに巣に近付くと、激しく鳴いて攻撃体制に入ります。

そんなプッポウソウですが、名前の由来にとても興味深いものがあります。
「プッポウソウ」と鳴く為に、この名がついたとされていましたが、実はプッポウソウと鳴くのは別の鳥だったという事が後になって分かったのです。

実際にブッポウソウと鳴く鳥は?

ブッポウソウとフクロウ科のコノハズクは1000年以上もの間、その鳴き声を間違えられていました。

昭和10年6月、NHKの鳳来寺山での全国放送でブッポウソウの声が全国に放送されたのですが、この時に、「ブッ、ポー、ソー」と聞こえる声の主が実はフクロウ科のコノハズクだった、という事実が判明しました。

両者は同じ森に生息している為、昔の人々はその声を日中飛び回るプッポウソウの鳴き声だと思ったのでしょう。

この全国中継放送以降、日本鳥学会は「仏法僧」と鳴くのはブッポウソウではなくコノハズクであると正式に認定しました。
このことから現在でも、コノハズクは「声のブッポウソウ」、ブッポウソウは「姿のブッポウソウ」と言われています。

まとめ

ブッポウソウの生息地は局地的で、生息数自体も減っている絶滅危惧種の為、観察できる機会はそう多くありません。

近い将来、日本からいなくなる種類であると考えられていますが、巣箱の設置や積極的な保護を開始した結果、現在は700つがい程度にまで増加回復しました。

ですが、人がいると巣箱に帰らなくなるなど、警戒心がかなり強い鳥なのでヒナが育ちにくく、予断を許さない状況なのも事実です。

こうした絶滅危惧問題は、決して人にとっても遠い問題ではありません。
近代化を進め、環境を変えてしまった私たち人間一人一人が考えていかなければならないテーマでもあるのです。

-ブッポウソウ, 夏鳥

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