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ガビチョウ

ものまねが得意なガビチョウは特定外来生物で駆除の対象?日本に定着してしまった理由とは?

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ガビチョウは、漢字で「画眉鳥」と書きます。

その名の通り、黒い大きな目を取り囲む白い縁取りとアイラインが特徴的な鳥です。
ガビチョウは大きな声でさえずることで有名で、中国ではペットとして昔から人気です。

現在、日本各地でガビチョウを見ることができますが、本来は日本にいるべきではない鳥でもあります。
そんなガビチョウがどのような鳥なのか、日本ではどのように扱われているのかをご紹介したいと思います。

ガビチョウってどんな鳥?


ガビチョウは、茶褐色の体色で目の周りが白く縁取りされています。

メジロよりもはっきりと太く、アイラインが特徴的です。
藪のある森や雑木林に生息していて、繁殖もそうした場所で行います。

渡りや移動はあまりせず、同一の地域に定住する習性があり、地面にいる昆虫やミミズ、果実などを食べています。

原産地は、中国南部、海南島、ベトナム北部、ラオス北部など東南アジアを中心として生息しています。

本来は日本にいない鳥ですが、過去にペットとして輸入された個体が放鳥されたりや篭脱けなどをした結果、日本各地に定着することとなりました。
日本と似たような事例で、ハワイでもペットとして持ち込まれたガビチョウが定着していますが、ハワイではガビチョウの繁殖により在来種の野鳥の生息環境を圧迫しています。

ガビチョウはその鳴き声に特徴があります。特に大きな声で、バラエティ豊かな鳴き声で鳴く姿が最大の特徴です。
その鳴き声の豊かさや美しさから、中国では鳴き声を競わせて楽しみます。

関連記事:ガビチョウは特定外来生物だけど魅力もある?食性、分布、鳴き声はうるさい?

ガビチョウは物まねが得意


ガビチョウは日本の雑木林や森林でも姿を見かけることができ、特に人の腰高~背丈ほどのササ藪のある所や、下草のあるところで観察できます。

藪の中でさえずる鳥として有名なウグイスがいますが、ガビチョウはこのウグイスの鳴き真似をすることもあります。
他にも、オオルリやサンコウチョウといった鳴き声が美しい鳥の鳴き真似をします。

そのため、ガビチョウの鳴き声は5種類とも10種類ともいわれ、図鑑などを見ても明確な鳴き声の表記を見かけることは少ないです。

野鳥観察を行う時も、ガビチョウが生息している環境に出かける際は要注意。
なぜなら、目当ての鳥が鳴いている!と思って探した結果、その声の持ち主がガビチョウであることがわかり、がっかりすることがあるからです。

こういった理由から、野鳥愛好家からは嫌われている存在でもあります。

特定外来生物に指定されている

※特定外来生物とは?
特定外来生物とは、外来生物法という法律によって指定された生きもののことを意味します。

特定外来生物には、ガビチョウを含む鳥類の他、哺乳類、両生類、昆虫など多岐にわたります。

本来、特定外来法というのは、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上を目指して制定されました。

この法律の中で示されている特定外来生物は、

1.外来生物(海外起源の外来種)であること
2.生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼす恐れがあるものの①と②いずれも満たす生きもの

2018年現在で、特定外来生物に指定されている鳥類は7種類です。

日本に定着した理由

日本には様々な外来生物が生息していますが、ガビチョウもそうした生きものの一つとして有名です。

ガビチョウの場合は、日本にペットとして輸入された個体が飼い主によって放鳥された、或いはカゴ抜けしたことで日本各地に生息地を広げてきました。

生息地を広げている一方、一部の地域ではガビチョウの生息は認められていません。

その要因の一つとして、ガビチョウは定住する習性をもつ鳥のため、渡りや移動は基本的にしないと考えられているからです。
それでも、生息が確認されている九州地方や本州では、里山林などでガビチョウなどが増えたことで本来の生態系が乱れ、地域の農林水産業などに悪影響がでることが懸念されています。

駆除の対象

特定外来生物に指定されたガビチョウですが、駆除は進められていません。

また個人での捕獲は、鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)があるため原則できません。

この法律は野鳥を捕獲、捕獲することを原則禁止しています。
もちろん、学術研究、有害捕獲、傷病鳥獣の救護などの目的があり、許可を得た場合は別です。

ハワイでは1910~1920年に輸入された個体が広がり、在来種とエサが競合しました。
その結果、ハワイにいた在来種の野鳥の減少を招いた一因として考えられています。

日本でははっきりとした被害の事例は、現在のところ報告がありませんが、今後、日本各地で似たような事例が発生する可能性があります。
なお、特定外来種であるガビチョウは積極的な駆除はされていませんが、学術等の目的以外での飼育、販売、譲渡、野外放鳥は外来生物法によって禁止されています。

まとめ

今回は、本来日本にいるべきではないガビチョウが、どうして日本に広まったのか、どのような鳥であるのかをご紹介しました。

ガビチョウのように人間によって持ち込まれた生きものは多くいて、そのほとんどが日本の生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

ですが、その責任は人間にあります。

ペットを飼う場合、または海外から生きものを持ち込む場合は、最後までその生きものの命に責任を持つことが必要です。
今ある日本の生態系が崩れる前に、私たちができることは何だろう?と考えるきっかけを与えてくれる鳥、それがガビチョウなのです。

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