様々な種類の野鳥の生態、特徴、鳴き声などを写真付きで紹介しています。

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キビタキ 夏鳥

夏の渡り鳥、キビタキは美しい鳴き声の持ち主!オスとメスの色の違い、大きさは?

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夏の野鳥として有名なキビタキ。

キビタキの鮮やかな見た目と美しい鳴き声は多くの愛鳥家を魅了し、その姿を求めて山や森に出かけます。
どんな人も一度見たら忘れることができない、キビタキの特徴や愛らしい魅力を紹介していきます。

キビタキの生態・特徴


キビタキは、スズメ目ヒタキ科の渡り鳥(夏鳥)です。

夏鳥は、繁殖のために夏になると日本に飛来する鳥のことを言います。
キビタキは繁殖のためにボルネオ島やフィリピンなどの東南アジア、中国南部からはるばる海を越えて、日本にやってきます。

日本に渡ってきてすぐの頃は平地の雑木林などで羽を休めることもあり、身近な野鳥の一つでもあります。

キビタキは全国各地で見ることができ、標高1800m以下のブナやコナラの広がる広葉樹林などよく繁った森や林で繁殖します。

エサは、森の中を飛んでいる虫を捕えて食べているのですが、捕まえるとき、木々の横枝から飛んで虫を捕まえ、また元の枝や近くの枝に戻っていく習性があります。
この様子をフライングキャッチと呼び、キビタキの英名ナルシッサス・フライキャッチャーの元にもなっています。

鳥の多くは、オスとメスで体の色や大きさが変わることがありますが、キビタキもオスとメスで体の色が違います。

初めて見ると、その特徴の違いに「別の鳥かな?」と思うことも多いですが、オスの見た目の美しさとうっとりするようなさえずりが特徴かつ魅力です。
そのため、夏の野鳥観察会ではオオルリなどと人気を争います。

キビタキの分布

キビタキは全国の森で見ることができます。
主に標高1800m以下の広葉樹林などで繁殖を行います。

キビタキは冬の間を東南アジアや中国南部などの暖かい地域で過ごし、夏になると日本に渡ってきます。

日本に渡ってくると、平地の林や雑木林、住宅地近くの緑豊かな公園などで羽休めをしながら、次第に繁殖地へ移動していきます。
移動するルートは、個体ごとに大まかに決まっているようなので、皆さんの家の近くでも見ることができるかもしれません。

また、屋久島から沖縄などの南西諸島にかけては、留鳥の亜種リュウキュウキビタキがいるのですが、こちらは留鳥なので、その地域で一年中見ることができます。

キビタキはヒタキの仲間で、黄色いヒタキという意味です。

ヒタキの仲間の鳥は日本には約30種いますが、キビタキはその名の通りオスの鮮やかな黄色が特徴です。

その黄色も、はじめは灰色がかかった地味な色をしていて、羽が抜け替わることで鮮やかな黄色と美しい黒色を帯びます。
また屋久島や南西諸島にいる亜種は、色の出方に違いがあります。

オスメスの色の違い

オスは喉の部分からお腹、背の一部と眉に、まるで水仙の花のような橙色や黄色を帯びます。

特に喉元からお腹にかけてのグラデーションは鮮やかです。

羽や尾羽、背の一部は黒で、差し色として白が入ります。
似たような鮮やかな橙色をした鳥に、ジョウビタキという鳥がいますが、ジョウビタキは冬の渡り鳥のため間違えることはありません。

変わってキビタキのメスは、全体的に模様がなくオリーブ色や灰色といったオスとは対照的にとても地味な色をしています。

オスの派手で鮮やかな色は、森の中で目立つ印象を抱きますが、木漏れ日のある森の中では光と陰のコントラストとキビタキの色が溶け込み、見つけることが難しいです。

そのため、鳴き声で初めて存在がわかることもあります。
また、メスの色も樹木の樹皮や陰ったところと同じような色をしていて、オス以上に探すのに一苦労です。

英名のルナシッサス・フライキャッチャー、学名のナルシシナはどちらも水仙の意味なのですが、学名のナルシシナは、水面に映った自分の美しさに陶酔し、水仙になってしまった少年の話であるギリシア神話が由来となっています。

水仙のような鮮やかな色が印象的かつ魅力的に映るようです。
このようにオスメス共に色の違いがはっきりしていて、オスの鮮やかな色が特徴的なキビタキですが、幼鳥(子ども)ではオスメスの色の違いがなく、見分けがとても難しいです。

鳴き声、さえずり


「ポッピリリ、ピピロピピロ。ポッピリリ、ツクツクホーシ」

新緑の森の中に響き渡るような高いさえずりが聞こえてきたら、キビタキがいる証拠です。

オスは自分のなわばりを主張するために、木々の枝を移動しながらさえずります。
人間に驚いて飛んで行ってしまっても、じっと待っていると自分のなわばりに戻って来てさえずることがあります。

さえずりは繁殖期に鳴く鳴き声ですが、その時期以外の鳴き声を地鳴きといいます。

「ピッピッ…ピルル…」という鳴き声が、キビタキの地鳴きです。ヒタキの仲間の鳴き声に多い「ヒッ、ヒッ…」という声に聞こえることもあります。

また面白いことに、ツクツクボウシというセミの仲間やコジュケイという鳥にそっくりに鳴くこともありますが、その理由はよくわかっていません。
森でキビタキを見つけたら、よく耳を澄ませてみてください。

関連記事:コジュケイは飛ぶのが苦手?鳴き声、大きさ、特筆すべきは身体の色合い

キビタキの巣


繁殖期は5~7月で、樹洞など穴や隙間に巣を作ります。

巣の材料はコケや小枝で、メスが巣作りを行います。
一度に4~5個の卵を産み、育てます。卵から巣立ちを迎えるまでの日数は25日程度です。

大きさ

ヒタキの仲間は大体9cm~22cmぐらいの大きさです。

キビタキはスズメと同じぐらいの大きさで約13cm~14cm程度です。
オスとメスは色の違いではっきり分かれていますが、大きさは同じぐらいです。

広大な森の中で、このサイズの鳥を探すのはとても大変ですが、さえずりの時期に森に行くと、高らかに歌うキビタキの声が居場所を教えてくれます。

まとめ

水仙の花に例えられるほどに鮮やかで、その歌声も一度耳にしたら忘れられないキビタキ。

多くの人がキビタキに魅了されるのは、夏の限定で会える鳥であり、見た目やさえずりなどの特徴や愛らしい魅力を兼ね備えているからです。
夏の山や森に出かけて、その姿に魅了されてみませんか?

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