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コアジサシ 夏鳥

コアジサシが絶滅危惧種となっている理由~生態、分布、どんな鳴き声?

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コアジサシは、海岸や川などの水辺に生息し「魚」を餌としているので、水上でホバリングしながら獲物を探し、魚を発見すると急降下して頭から水中にダイビングします。

アジなどの魚を、水上からモリで突いたように捕まえることから「鯵刺(あじさし)」という名前がついたといわれています。

飛んでいる時一見、白いツバメのように見えますが体はムクドリ大で、翼が長くスマートな体型をしています。
シャープでスレンダー!白い体に黒い頭、鮮やかな黄色のクチバシが特徴です。

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コアジサシの生態


コアジサシは、カモメ科アジサシに分類される野鳥で大きさは全長約28cm位、ちょうどスズメと鳩の中間くらいの大きさです。

先のとがった翼で空気を切るように飛び、ツバメのように長く切れ込んだ尾羽根を持っています。

大きな川の中洲や砂浜・海岸の貝殻まじりの砂地にたくさんの巣を作り、コロニー(集団)を形成し、コロニーで繁殖することで外敵の侵入に備えています。

巣の周囲2~3m以内に他の鳥が入ると追い払い、繁殖地に天敵が近づくと一斉に飛び立ち、群れで協力しながら急降下して威嚇するという行動をします。

日本には春から夏にかけて、繁殖のため本州以南に渡来してくる「夏鳥」として知られています。

渡来してからは海岸や河口、湖沼などの水辺に生息し魚を捕食しながら5月~7月までの産卵期を迎えます。

その産卵時には、地面にくぼみを作って直接産卵したり、貝殻や小石を敷いた上に2~3個位の卵を産み付けます。
しかし、カラスや犬に卵を持ち去られたり、ハヤブサに親鳥が狩られたりもします。

産卵から巣立ったヒナは、巣から出て石や草木に身をよせて親が餌を運んでくるのを待っています。

関連記事:随一の飛行能力を誇るアジサシの生態~鳴き声、色、コアジサシとの違いとは?

コアジサシの分布

国外では朝鮮半島から中国・台湾・インドネシア・ニューギニアなどにかけ、ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、カリブ海沿岸やハワイ諸島にも分布しています。

熱帯から温帯にかけての河川や海岸・湖沼に生息し、日本には4月初旬に渡来して繁殖し9月頃には南へと渡っていきます。

北東ヨーロッパもコアジサシは広く分布しているものの、生息地はとてもまばらで現在は減少傾向にあり、絶滅危惧種として保全対象となっています

コアジサシは渡り鳥であるため、繁殖地だけでなく越冬地や中継地も保全して行かなければなりません。
どれか一つがかけても駄目なのです。

現在では、鳥類保護団体が渡りルートの解明に取り組み、世界的な視野での保全活動を行っています。

鳴き声


かもめの仲間ですが、小鳥のような鳴き声に感じます。

鳴き声は「キリッ キリッ」とか「クリッ クリィッ」とみじかく鋭い声で鳴くのですが、繁殖期である4月~6月頃には、「キッキッキッ」と、にぎやかな鳴き声をします。

遠くからだと飛び方や形状などから白いツバメのように見えますが、鳴き声によって判別することができます。

絶滅危惧種


鳥類保護法では、絶滅の恐れのある野生動物の種の保存に関する法律があります。

現在、コアジサシが暮らす上で良好とされる環境は、残念ながら人の影響によって減少しています。
また、せっかくコロニーを形成できた場所も自然災害やハヤブサなどの外敵の影響で、安定して繁殖ができないのが現状です。

そのため、環境省のレッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類に、都道府県のレッドデータでは絶滅が懸念されるカテゴリーに分類されています。

また、コアジサシは渡り鳥として国境を越えて渡来するため加盟国の「渡り鳥条約」にもリストアップされており、国際希少野生動物種に指定されています。

近年オーストラリアでも、コアジサシの減少が指摘されている状態です。

絶滅危惧種となっている理由

以前までは、河川敷などの、砂や小石などが広がる砂礫地に営巣して繁殖していましたが、堤防の整備や造成地の開発・埋め立て、化学物質による汚染などにより、繁殖に適した環境が激減していることが挙げられます。

また、ダムによる水量の抑制で砂礫地が草地化することで産卵環境が激減してしまい、それが個体数の減少にもつながっているとされています。

繁殖数も少ない上に、巣立ったヒナは親が食物を運んでくる間にカラスやトビ、犬などに捕食されることで、個体数の減少にも繋がっています。

夏場では、河原や海岸などでオートキャンプの車やモトクロスバイクによって卵やヒナが踏み潰されたりするので、繁殖期には車両を生息地に進入しないような配慮が必要です。

まとめ

春になると水辺に姿をあらわすコアジサシ。
その魅力はナント言っても身近で繁殖を観察できることではないでしょうか。

しかし、近年では、海辺の土地開発や土地利用の変化によりコアジサシの好む環境が少なくなってきました。

人間との距離の近さ、身近さが悪い方向に働いているのが現状です。
そして、住む場所を失った結果、数が減少し、絶滅危惧種に指定されるまでになっています。

現在では自然保護団体によるコアジサシの保全活動も行われ、新たな自然環境作りも行われていますが、思い通りに進んでいません。

人間との共生のために、我々がするべきことは何なのか、考えていきたいところではあります。

-コアジサシ, 夏鳥

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