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天然記念物、クマゲラは鳴き声もドラミングもド迫力の最大級のキツツキ!生態や色、生態は?

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クマゲラは数あるキツツキの中の一種です。

実は、「キツツキ」という鳥は存在せず、木をつつく習性から「キツツキ」と呼ばれています。
日本にも様々なキツツキの仲間が生息しているのですが、中でも最も大きな体を持つのがクマゲラです。

ユニークな風貌で人気が高く、野鳥ファン憧れの鳥の一つだというクマゲラですが、どんな魅力を持つキツツキなのでしょうか?
今回はクマゲラの生態や特徴、生息地やキツツキ類ならではの行動など、詳しくご紹介したいと思います。

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クマゲラの生態・特徴


クマゲラはキツツキ目キツツキ科クマゲラ属に分類される鳥で、日本に分布するキツツキ類の中では最大の全長46㎝くらい、翼を広げると66㎝にもなり飛んでいる姿はカラスのようだといわれています。

名前についている「クマ」は、体が大きいことを表しており、生息している北海道ではアイヌの人々に「クマの居場所を教えてくれる鳥」、「道に迷った時の道案内をしてくれる神」と崇められていました。

全身真っ黒でくちばしは黄色、おしゃれな赤いベレー帽をかぶったような姿は大変ユニークで人気のある野鳥です。
オスは額から後頭部にかけてが赤いのですが、メスは後頭部だけが赤く、オスメスを見分けるには頭部に注目するとよいでしょう。

エサは主にアリで、カミキリムシの幼虫なども木に穴を開けて捕食します。
昆虫以外には果実なども食べることがあります。

木に穴を開けるのは、餌の確保だけでなく、巣穴を掘るためにも行います。

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クマゲラの生息地は?

クマゲラは日本以外にヨーロッパ、中国北東部や南西部、モンゴル、ロシア、トルコ、イランなどに分布しています。
日本では北海道と東北地方の北部に生息し、一年を通して同じ地域に留まる「留鳥」に分類されています。

北海道では常緑針葉樹林、落葉広葉樹林、その2つの混交林など、様々な森林で生息・繁殖が確認され、東北地方ではブナ林でのみ繁殖が確認されています。

クマゲラが生息する東北のブナ林は、クマゲラの営巣に必要な垂直の大木と、枯れ木や老齢木が混じっている「極相林」で、しかも一つのつがいが繁殖するために必要な面積である1,000ヘクタール以上という条件を満たしているといいます。

このような条件を満たす地域はとても少なく、東北地方でのクマゲラの繁殖は秋田県と青森県のごく一部となっています。

クマゲラは天然記念物に指定された鳥


クマゲラは1965年5月12日に天然記念物に指定されています。
これにより、クマゲラを勝手に採取したり傷つけることは禁止され、保護されるようになりました。

天然記念物とは、日本独自のもので学術的に貴重な動植物・地質・鉱物などが指定されます。
どういうものが選ばれるかというと、日本らしいものや日本人になじみのあるものだということです。

クマゲラは森林に生息する鳥ですが、開発など環境の悪化で生息数が減少しています。
天然記念物に指定されていることで保護はされているのですが、繁殖に適した環境を整えてあげることをしなければ、さらにその数が減少し絶滅が危ぶまれるでしょう。

クマゲラの鳴き声は?


クマゲラの鳴き声は、「キョーン」「キョーン、キョーン」「キャー、キャー」などと聞こえることが多いようです。とても大きな声で甲高く、クマゲラが近くにいることがよく分かる声です。

この「キョーン」という声は、ねぐらとする木や営巣木にとまった時に発する声で、他には飛翔する時の「コロコロコロ」「キョロキョロキョロ」という連続した高い声や、つがいや親子間の交信の声である「クウェクウェ」などもあります。

クマゲラのドラミングについて

ドラミングとは、キツツキ類が木をくちばしで連続的につつく行動です。
ドラミングを行う理由は、巣穴を掘るため、エサを見つけるため、それに求愛やなわばりの主張などコミュニケーションの手段としても行うといわれています。

クマゲラのドラミングはとてもパワフルで、1㎞離れていても聞こえるといわれています。

大木や枯れ木に巣穴を掘る際は、縦15㎝、横10㎝ほどもある長楕円形の大きな穴を掘ります。
ヒナを育てるための巣だけではなく、オスとメスそれぞれが寝るためだけの木も持っているといいます。

自分の巣の近くに別の生き物がいる場合にも、威嚇のためにドラミングを行うことがあります。縄張り意識が強い鳥で、自分の家族以外の侵入者がテリトリーに入るのは許せないようです。

クマゲラの色は?

クマゲラはオスとメスの体色が同じ、真っ黒な体に赤い頭部が特徴です。

赤い部分はオスとメスで異なり、オスは額から後頭部にかけて、メスの場合は後頭部だけが赤くなっています
オスは頭部全体が赤く見えるのですが、メスは後頭部に小さな三角形の赤い部分がある程度です。

オスはまるで赤いベレー帽をかぶっているように見え、体は真っ黒であることから「赤いぼうしをかぶったカラス」と呼ばれることもあります。
くちばしの色は黄白色、先端が黒くなっています。

まとめ

かつては北海道のみに生息していると考えられていたクマゲラ、本州で発見されたのは1975年のことだそうです。
発見当時はいないはずの鳥がいたということで、「幻の鳥」と呼ばれていたクマゲラ。

環境の変化で年々減少しているという、絶滅危惧種の鳥であることから、本当の幻の鳥になるのではないかと心配されているようです。
緑豊かな森林でなければ住むことができないクマゲラ、これ以上生息する環境が悪化しないようにと祈るばかりです。

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