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紫色の美しいカラス、ルリカケスってどんな鳥?鳴き声、観察のポイントは?

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カラスといえば黒い姿を思い浮かべるかと思いますが、実は紫色のきれいなルリカラスという種も存在します。

カラス科の鳥、カラスの仲間になるのですが、奄美諸島にしか生息していないので、そんな鳥がいるなんて知らなかったという人も多いかもしれません。

今回は国指定天然記念物にも指定されてるルリカケスについて、あまり知られていない生態や特徴、分布などのほか観察のポイントについても詳しくご紹介します。

ルリカケスの生態


ルリカケスはスズメ目カラス科カケス属に分類される鳥で、全長は約38㎝で翼長は15~18㎝と、カラスの仲間ですが、大きさはハトと同じくらいです。

体色は頭部、頸部、上胸、翼、尾までが瑠璃色(青紫色)と美しく、その羽を帽子につける羽飾りとしてヨーロッパに輸出するため乱獲された歴史があります。

世界でも日本の奄美大島だけに生息・繁殖する鳥で、一時は生息数が減少し絶滅が危惧されました。

しかし、1921年に天然記念物に指定され、2008年以降は減少に歯止めをかけるための対策がとられ、自然林の回復や天敵となっていたマングースの減少によって個体数は増加しています。

食性は雑食で、昆虫やクモ類、爬虫類や両生類、他の鳥類の卵、果実、種子などを食べます。

樹上だけでなく地表に降りて採食を行い、ドングリなどの種子の貯蔵を行う習性があります。
山地のよく茂った常緑広葉樹林などに生息しますが、農地にも出没し畑のサツマイモを掘り出して食べることもあります。

ルリカケスの分布

ルリカケスは日本固有種の鳥で、奄美大島で生息・繁殖しています。

徳之島でも1920年に発見例がありますが、それ以降は確実な発見例がなく、今現在は世界で奄美大島の中の大島本島、加計呂麻島、請島でのみ生息・繁殖が確認されています。

ルリカケスは今でこそ天然記念物として保護されていますが、1921年以前は世界でも日本の奄美大島にしか存在しない珍鳥であることから、標本として輸出されたこともありました。

飼育されることもあったようで、徳之島での発見例は飼育されていた個体が逃げ出し発見された可能性もあるといいます。

奄美大島の山地の斜面や谷間にある常緑広葉樹林や、マングローブ林でも見られますが、近年では畑地や集落周辺でも見られるようになり、民家の軒下などにも営巣が確認されています。

ルリカケスの観察のポイント


ルリカケスは奄美大島だけに生息・繁殖している鳥なので、観察するには奄美大島まで出向く必要があります。

しかし、奄美大島に行けばどこでも見ることができる鳥ではなく、野鳥観察に慣れている人でもルリカケスを探し出すことは簡単ではないといいます。

近年では人が住む集落周辺にも現れるようになったルリカケスですが、基本的に多くが人の立ち入らないような山地で生息しています。

薄暗い森の中でジャージャーという鳴き声を頼りに探すか、水場で現れるのを待つ方法もありますが、姿を見ることができる確率は低いようです。

観察するには現地に詳しい野鳥のプロに生息地を案内してもらうか、しばらく奄美大島に滞在し現れるのを待ってみるのもひとつの方法になります。

ルリカケスの鳴き声

ルリカケスの鳴き声は、その美しい姿とは違い「ジャージャー」や「ギャーギャー」あるいは「ゲェーイゲェーイ」など、しわがれた声なのでがっかりするかもしれません。

九州以北に生息するカケスの鳴き声と、ルリカケスの鳴き声は似ているようです。

これらのちょっと不快な鳴き声は威嚇する時に発する声で、ヒナを呼ぶ時などはもっと優しい声で鳴くといいます。
奄美地方の方言では、ルリカケスを「ヒョウシャ」あるいは「ヒョシャ」といいますが、これは鳴き声が由来となっているようです。

森の中でルリカケスを探す時は、このしわがれた声を頼りにすると見つかりやすいそうです。非常に印象に残る鳴き声なので、他の鳥との識別が容易です。

特徴ある身体の色


ルリカケスの身体の色は、名前にある通り「瑠璃色」であることが特徴です。

頭部、頸部、上胸、翼、尾の部分が瑠璃色(青紫色)で、額やノドの羽衣は黒く、背と胸部から腹部にかけての羽衣が赤褐色、翼と尾の先に白斑があります。

くちばしは象牙色で、基部は青味を帯びています。
オスメス同色ですが、幼鳥は羽衣が褐色がかり、尾羽や翼には白い部分がありません。

瑠璃色の羽は光沢がありとても美しいので、1900年代にはヨーロッパの上流階級の女性たちが帽子につける羽飾りとして珍重しました。

羽をヨーロッパに輸出するために乱獲されたルリカケスは、一時絶滅も危惧されましたが天然記念物に指定されたことから絶滅の危機を逃れたといいます。

まとめ

奄美大島だけに生息するルリカケス、瑠璃色の美しい姿はとてもカラスの仲間とは思えないといいます。

野鳥のプロでも見つけることが難しいといわれているのですが、最近では山地まで行かなくても民家の近くにひょっこり姿を見せることもあるそうです。

奄美大島に行く機会があったなら、「ギャーギャー」というしわがれ声に注意してください。
瑠璃色の羽を持つ美しいカラス・ルリカケスが樹上にとまっているかもしれません。

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