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サギ 冬鳥 夏鳥 留鳥

同じように見えるサギも種類によって異なります~外見、大きさなど特徴は様々

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「サギ」と言ったらどんな鳥が思い浮かびますか?

気がつくと川辺や田んぼに突っ立っている、ツルに似ているスリムな体型、体は白い、意外と身近にいる・・・そんなイメージがあるかもしれません。

でもサギにも様々な種類があり、「えっ、これもサギなの?」と違和感を持ってしまうサギもいるかも。
また、違う種類なのに同じサギだと思い込んでいる可能性もあります。

サギにはどんな種類があり、それぞれどんな特徴があるのかを詳しくご紹介しましょう。

サギってどんな鳥なの?


サギはペリカン目サギ科に属する鳥で、世界に65種、日本には19種が生息しています。

日本では年間を通じて同じ場所にとどまっている種類(留鳥)、越冬するため冬季になると日本に渡ってくる種類(冬鳥)、繁殖のために日本よりも南の国から渡って来て夏を過ごす種類(夏鳥)の3つの種類のサギがいます。

外観はツルやコウノトリに似た、長い首・脚・くちばしを持ったスリムな体型のサギもいますが、対照的に短い首・脚を持つずんぐりした体型のサギもいます。
また、サギといえば白い体をイメージする人も多いと思いますが、サギの体色は白だけではなく、灰色や黒、褐色などもあり、季節によって色が変化するものもいます。

河川や田んぼなどの水辺を餌場とし、魚やカエルなどの両生類、爬虫類の他に哺乳類や鳥類も捕食することがあります。
巣も河川敷など餌場に近く天敵からの攻撃を防ぐことができる場所を選び、見晴らしの良い樹上に設けてコロニーを形成します。

中にはコロニーを形成せず、単独かあるいはつがいで生活する種類もあり、巣も樹上ではなく茂みの中、草地につくることがあります。

食性や生活形態といった特徴など、同じサギでも種類によって全く異なります。

シラサギについて

サギといえば白い体が特徴で、名前は「シラサギ」だと思っている人も多いのですが、実はシラサギという名前のサギは存在しません。

シラサギというのは、あくまで全身が白いサギ類の総称で、日本ではダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギなどがシラサギと呼ばれています。

もともと白いサギは全てシラサギと呼ばれていたのですが、標準和名を付ける時に体の大きさで区別し「ダイ(大)サギ」「チュウ(中)サギ」「コ(小)サギ」と名付けたというわけです。

ただし、中国語で「白鷺(シラサギ)」といえばコサギを指すことから、中国ではシラサギという鳥が存在することになります。

ダイサギについて


ダイサギはシラサギと呼ばれているサギのうち、最も大きく日本では最大級のサギです。
世界の熱帯や温帯に広く分布し、日本では越冬のために冬渡ってくる冬鳥に分類されています。

全長が89㎝程度で脚と首が非常に長いのが特徴で、体色は全身が白色でオスメス共に同色です。
くちばしの色は繁殖期と非繁殖期で色が異なり、繁殖期の夏は黒色でそれ以外の非繁殖期には黄色になります。

繁殖期にはくちばしの色の変化以外にも胸や背中に長い飾り羽が現れたり、目の周りが青くなる「婚姻色」が現れることがあります。
ダイサギは目の下の切れ込みが長いのが特徴で、ダイサギよりも体の小さなチュウサギと見分ける時にはここを観察すると良いでしょう。

チュウサギ


チュウサギはダイサギよりも小柄の全長63~72㎝のサギで、日本以外にもユーラシア、アフリカ、オーストラリアの温帯から熱帯に分布しています。
日本では夏鳥に分類され、夏季に本州から九州までの広い範囲に渡来しますが、九州では少数の個体が越冬することもあるといいます。

ダイサギと同じように全身が白い「シラサギ」で脚は全体に黒く、くちばしは繁殖期になると黒くなりますが、非繁殖期には黄色で先端が褐色になります。
眼先が黄色いのも特徴ですが、繁殖期には青緑色に変わります。

よく似ているダイサギと見分けるには、体の大きさ以外には眼下の切れ込みに注目します。
ダイサギは切れ込みが眼の後まで伸びていますが、チュウサギは目の下の切れ込みが眼の真下で止まっています。

コサギについて


コサギは、チュウサギよりもさらに小さい全長60㎝ほどの「シラサギ」です。
日本以外ではユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸などに分布しており、日本では本州から九州にかけてを繁殖地に選ぶ夏鳥ですが、本州以南では越冬する個体もいるようです。

ダイサギやチュウサギと同じく全身が白い羽毛に覆われており、首や脚、くちばしが長く、足の先端は一年中黄色です。
コサギに似ているチュウサギの足の先は黒ですから、この部分でも2つのサギを見分けることができます。

また、繁殖期には頭に長い飾り羽が現れるほか、背中の飾り羽の先が巻き上がり、これらはダイサギやチュウサギには見られないコサギならではの特徴です。

アマサギ


アマサギは全長50㎝で白いサギでは最小、コサギに近いサギです。
日本以外ではアフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸南部、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、マダガスカルに分布しています。

日本では5月頃に繁殖のため渡ってくる夏鳥で、非繁殖期には全身白色ですが繁殖期になると頭や首、肩が薄いオレンジ色(亜麻色)に変わるほか、目先が一時的に赤くなるのも特徴です。

他のサギ類のコロニーに交じって繁殖しますが、エサは水辺だけでなく、牧草地などでも捕獲します。
水辺では魚類、カエルなどを探し、牧草地では牛などの草食動物のかたわらで、飛び出してくる昆虫を待っていることもあります。

アオサギ


アオサギは全長88~98㎝、日本で繁殖する最大のサギです。
日本以外ではアフリカ大陸、ユーラシア大陸、イギリス、インドネシア西部、フィリピン北部、マダガスカルなどに分布しています。

北海道では繁殖のために渡来する夏鳥で、本州や四国では一年を通して生息する留鳥、九州以南では越冬するために渡来する冬鳥です。
名前の由来は、青っぽい灰色の羽毛で覆われていることからきており、背中はその青みを帯びた灰色ですが下面や頭部、首は白色です。

背が高く脚も長いので、水辺にたたずんでいても羽ばたいて飛び立ってもかなり迫力があります。
河川、湖沼、水田などに生息しますが、非繁殖期には単独で行動し魚類や両生類、昆虫、鳥類のヒナ、小型の哺乳類を食べることもあります。

クロサギ


シラサギは白いサギの総称ですが、クロサギは黒いサギの総称ではなく、しっかりとした種名です。
全長は約63㎝、サギの中では中型で大きさが似ているコサギと比べて脚は短め、体つきはがっしりしています。

東アジア、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどに分布し、日本では本州の中部以南では留鳥、それよりも北では夏鳥に分類されます。
他のサギとは異なり海岸の岩場を好むサギで、単独かあるいはつがいで生活しコロニーは形成しません。

クロサギといってもすべてのクロサギが黒いわけではなく、個体差があり体が白い「白色型」のクロサギもいます。それならシラサギと見分けがつかないのでは?と思うかもしれませんが、クロサギはシラサギに比べて脚とくちばしが短く、体つきががっしりとしているので比較するとその違いが分かるでしょう。

ヨシゴイ


ヨシゴイは全長36㎝前後、サギの中では小型の鳥です。

日本以外では中国や韓国、台湾、タイ、シンガポールなど広い範囲に分布しています。
日本では夏季に繁殖のため渡来する夏鳥で、九州以北の河川や湖沼、水田などに生息します。

名前にある「ヨシ」は、ヨシ原に生息することが由来となっており、生い茂るヨシに擬態する姿やエサを求めて歩く姿がとてもユーモラスな鳥です。
体色や体型が「みょうが」に似ていると話題になったこともあります。

一見すると首が短くサギの仲間には見えないのですが、擬態する時や水中の魚を捕まえる時などは首が驚くほど長く伸びます。
ヨシに擬態し獲物を安心させて素早く捕まえるヨシゴイ、エサを捕まえる成功率は90%だといいますから驚きです。

関連記事:擬態が得意なヨシゴイは「アレ」にそっくり!奇妙なポーズに思わずくぎ付け

ササゴイ


ササゴイは全長40~52㎝、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸など広い範囲に分布しているサギです。

日本では夏季に本州・四国・九州に飛来する夏鳥ですが、暖地では越冬する個体もあり、沖縄では冬鳥に分類されます。

体色は白ではなく青灰色でずんぐりした体型なので、一見するとサギの仲間には見えないかもしれません。
ササゴイという名前は、羽縁が白くササの葉のように見えることが由来になったといわれています。

ササゴイには珍しい習性があります。それはエサを捕まえる時に「釣り」をするということ。

小枝や葉などを疑似餌として使い、エサとなる魚をおびき寄せて素早く捕まえるという「投げエサ釣り」を行う個体が確認されています。

ゴイサギ


ゴイサギは全長59㎝~65㎝、日本以外ではユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸など、世界各地に広く分布してます。日本では本州以南では留鳥、北海道では夏鳥に分類され、冬季になると南下する個体もいます。

ダイサギやチュウサギなどいわゆるシラサギの仲間と比べ首が短く胴がずんぐりとしており、脚も短くてがっしりとしています。体色は背は緑黒色で腹部は白いというツートンカラー、夜行性でカラスのように鳴くので「夜烏(ヨガラス)」とも呼ばれています。

また、夜烏と呼ばれるほかにも「ホシゴイ」という別名もあり、これは褐色の背中に点在する白っぽい斑点が星のように見えることが由来となっています。ただし、このような模様を持つのは生後1~2年程度で、成鳥には見られない特徴です。

関連記事:ペンギンに似ている?ゴイサギの生態、鳴き声、大きさ~別名、ホシゴイと呼ばれる理由

まとめ

こうして見ると、日本には多くのサギの仲間が生息しているのが分かります。
大きさは違うけれど体が白いから全部シラサギ!ではなく、細かく見ていくとそれぞれの特徴からどのサギなのか見分けることもできるでしょう。

また、これまでサギの仲間だと思っていなかった「サギらしくない」サギも、生態や姿形が興味深くネット上で話題になったこともありますから、機会があったらじっくりと観察してみてください。

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