様々な種類の野鳥の生態、特徴、鳴き声などを写真付きで紹介しています。

野鳥の森

キツツキ

おなじみのキツツキ、実は種類が豊富で特徴も各種で異なるのはご存じですか?

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キツツキってご存じですよね?
木にとまり、くちばしでコンコン音を立てているあの鳥ですが、そのキツツキ、日本には10種類ほどが生息しています。

今回は日本に生息するキツツキについて、どんな鳥なのか、どんな種類のキツツキがいるのかを詳しくご紹介しましょう。

キツツキならではの特徴とは?

実は「キツツキ」という鳥はいないですし、名前に「~~キツツキ」とつく鳥もいません。
ではどんな鳥がキツツキなのかというと「~~ゲラ」と名前の後にゲラがつく鳥たちです。

そのキツツキの仲間たちは、キツツキ目キツツキ科に属し、名前に「ゲラ(ケラ)」がつくことから、「ケラ類」とも呼ばれています。
キツツキとは、~ゲラと名前がついている鳥の総称です。

キツツキの仲間は、大きさがスズメ大からカラス大くらいまで、世界に約210種類存在し、日本ではそのうちの10種類ほどが確認されています。

一般的に樹幹で生活する鳥で、木の幹の表面や樹皮の下にいある昆虫が主な餌ですが、木の実を食べることもあります。

名前の通り木を突く行動が特徴の鳥で、毎秒約20回もの速度でくちばしを打ち付け、木の幹を掘削し穴を開けて昆虫を捕食したり、巣穴を作ったりもします。

その他にも、キツツキは縄張りを主張したり求愛の行動として木を突くことがあります。

キツツキのこのような行動を「ドラミング」と呼びますが、特定のさえずりを持たないキツツキにとっては、ドラミングがコミュニケーションの手段となっています。

森林に生息することが多いキツツキですが、ちょっとした山林にある木造の建物の外壁や軒天などを突いて穴を開けたり、電柱を突いたりして被害を与えることもあります。

キツツキは観察しやすい?


キツツキの仲間は、日本で1年を通して見ることができる「留鳥」ですが、森や林の中で生息する鳥なのでそういった場所まで出かけないと観察することは難しいかもしれません。

しかし、中には都心でも身近に見ることができるキツツキもいますし、冬場なら平地でも目につきやすいので、その時期を狙って公園などちょっとした林になっている場所に出かけてみることをお勧めします。

キツツキが姿を見せる公園の公式サイトなどをチェックすると、出会える確率はより高くなるでしょう。

キツツキを林の中で見つけるには、やはりコンコンという木を突く音を頼りにするのが間違いありません。

また、さえずることがないキツツキもいますが、濁った声で「ギィー」と鳴くこともあるので、ドラミングとその鳴き声が聞こえたら樹上を見上げてみましょう。

アカゲラ


アカゲラは全長24㎝、体重は66~98gほど、キツツキの中では中型でムクドリとほぼ同じ大きさの鳥です。

ヨーロッパからアジア東部まで分布し、日本では北海道・本州・佐渡・対馬で繁殖しています。
日本に生息するキツツキの中では最もよく知られており、市街地の公園などでも見ることができます。

体の色は黒・白・赤の3色で、黒い翼には小さな白斑が多数あり、付根付近に大きな白斑があるのが特徴です。
オスの後頭部は赤くなっていますが、メスには赤い部分がありません。また、頭上が赤いのは幼鳥になります。

食性は雑食で、木の幹を突き隠れている昆虫やクモ、多足類などを捕まえて食べるほか、果実や種子などの植物性のエサも食べます。
アカゲラは別名「森の番人」、これは木に被害を与える害虫を食べ森を守ってくれることから付けられました。

アカゲラはさえずることはなく、鳴き声は地鳴きです。
「ケッ、ケッ」や「ケッケケケ」などと鳴きますが、警戒している時には連続してせわしなく鳴き続けます。

関連記事:森の番人!アカゲラのドラミングとは?鳴き声、食性、分布は?

アオゲラ


アオゲラは全長29㎝、体重は120~138gのハトを一回り小さくしたサイズのキツツキです。
日本の固有種で、日本国内だけに生息しています。

「アオ」といっても古語なので「青」ではなく「緑」、背面が全体的に黄緑色であることが特徴です。
白っぽい腹部には横縞模様があり、オスは額から後頭にかけて赤く、メスは後頭のみ赤くなっています。

平地から山地の森林に生息し、亜種アオゲラは住宅地などでも見ることができます。食性は動物食傾向が強く樹上の昆虫を捕食しますが、果実も食べることがあるので雑食になります。アリを好んで食べるので、樹上だけでなく地上に降りて捕食することもあります。

キツツキ類はさえずらないものもいますが、このアオゲラは多彩な鳴き声を持ち、よく響く声で「ピョー ピョー ピョー ピョー」とさえずります。このさえずりは繁殖期に発する声で、普段は地鳴きで「キョッキョッ」と鳴いたり、飛翔時に「ケレケレケレ」と鳴くこともあります。

関連記事:キツツキの一種、アオゲラの生態、分布~鳴き声、オスとメスで違いはある?

コゲラ


コゲラは日本最小のキツツキで、全長は13~15㎝でスズメ大、体重は18~26gほどです。
日本の他に、朝鮮半島、中国、サハリン、東アジアに分布しています。

日本では北海道から沖縄、西表島までほぼ全国に分布し、平地から山間部まで林のある場所なら市街地の公園などでも生息でき、繁殖しているキツツキです。

体が小さく鳴き声も小さいので、他のキツツキと比べて目立たないのですが、数は多く都心でも見かけることができ、新宿でも目撃されたことがあるそうです。食性は雑食で、昆虫などを捕食する他に、木の実や花の蜜なども食べます。

オスとメスを見分けるポイントは、他のキツツキと比べると分かりにくいかもしれません。

オスの後頭部の一部が赤く、メスにはそれが見られないのですが、オスも普段はその赤い部分が見えにくいので見分けることは簡単ではありません。

大きさはメスの方がオスよりもやや大きく、つがいが揃っていれば見分けやすいかもしれません。

関連記事:コゲラは日本最小のキツツキ!オスとメスは見分けにくい?生態や鳴き声についても解説

関連記事:日本最小のキツツキ、コゲラの観察のポイント~巣作り、大きさ、餌は何を食べる?

ヤマゲラ


ヤマゲラは全長29~30㎝、体重が110~200gほどのキツツキです。

日本では北海道のみに生息しますが、ほかにユーラシア大陸や台湾にも分布しています。
別種のアオゲラによく似ているのですが、アオゲラとは違い腹部に縞模様がありません。

また、北海道にはアオゲラは生息していません。

オスとメスで体の大きさに差はなく体の色もほぼ同じですが、オスの前頭部の羽毛が赤色であるのに対し、メスは赤色がありません。
体の上面が黄緑色で下面は淡色、顔は灰色で黒い顎線が入っています。

北海道の平地から山地にかけての森林や林に生息していますが、公園や果樹園、庭園などでも見ることができます。
食性は雑食で昆虫類やクモを捕食するほか、果実や木から染み出す樹液を飲んだりします。

数が少ないということで、あまり頻繁に見ることができないのですが、鳴き声がちょっと変わっていて「キョウ、キョ、キョ、キョ」「ピョーピョピョピョ」など甲高い声で鳴きます。

あまりに特徴的なので、鳴き声さえ頭に入れておけば、すぐにヤマゲラの存在に気がつくはずです。

クマゲラ


クマゲラは日本に分布するキツツキの中でも最大の、全長46㎝で翼を広げると66㎝にもなるという大型のキツツキです。
全身が真っ黒で頭部が赤、その赤い部分がまるでベレー帽をかぶっているような風貌で、野鳥ファンが一度は撮影してみたい野鳥として人気が高いといいます。

「クマ」という名前なのは、体が大きいことを指しており、生息地の北海道ではアイヌの人々が「舟を掘る鳥」と呼んだり、クマの居所を知らせてくる鳥、道に迷った時の道案内をしてくれる「神」ともいわれています。

食性は雑食ですが主に食べるのはアリで、そのほかにカミキリムシの幼虫や昆虫以外には果実なども食べます。

飛ぶ時に独特の鳴き方をするキツツキで、「コロコロコロ」と鳴くほかに「キョーンキョーン」と大きな声で鳴くこともあります。

1965年5月12日に天然記念物に指定されたキツツキで、勝手に採取したり傷つけることは禁止されています。

関連記事:天然記念物、クマゲラは鳴き声もドラミングもド迫力の最大級のキツツキ!生態や色、生態は?

コアカゲラ

コアカゲラはコゲラよりもわずかに大きいキツツキで、全長は約16㎝です。
ユーラシア大陸の亜寒帯から温帯にかけて分布しているキツツキで、日本では北海道にのみ周年生息する留鳥です。

北海道の道南方面に分布しており、その他の地域では局所的に確認できるだけです。
平地から低山の落葉樹林や針葉樹林との混交林などに生息し、単独やつがいで生活し群を形成することはありません。

羽の色は体の大きいオオアカゲラに似ており、背中が黒と白の縞模様で、翼は黒く白い横縞があります。
オスの頭頂全部は赤くなっていますが、メスには赤い部分がありません。

食性は雑食ですが時期により食べる物が変わります。

繁殖期には甲虫類の幼虫など動物性のもの、非繁殖期には果実や種子などの植物性のものを食べます。

大型のキツツキであるクマゲラや中型のアカゲラは、力があるので生立木にもしっかりと巣穴を掘ることができますが、コアカゲラは小型のため力が弱いので、枯れたり腐ったりして掘りやすくなった樹木を選ぶようです。

アリスイ


アリスイは全長17~18㎝、見た目も行動もキツツキとは思えない、変わり種のキツツキです。

他のキツツキは一年を通して日本に生息する留鳥ですが、アリスイの場合北海道や本州北部では夏になると繁殖のために飛来する夏鳥で、本州中部以西では冬季に越冬のために渡ってくる冬鳥です。

体色は雌雄同色で全身が灰色がかった褐色、小さい波型の模様が沢山並んでおり、保護色のような地味な色合いをしています。
他のキツツキとは違い、木の幹に垂直に止まることはなく、一般的な鳥と同じく枝にとまり、くちばしで木をコンコンと突くこともしません

アリスイとは「蟻吸い」という意味で、長い舌でアリをからめ取り吸うように見えることから名付けられたようです。アリを捕えるために地上に降りたり、地上近くの枝や岩の上などで見ることが多いキツツキです。

木の幹に穴を開けることがないので、巣は自ら掘ることはなく他のキツツキの古巣を利用したり地面に空いた穴などにも巣を作ります。

関連記事:キツツキの一種、アリスイの生態、鳴き声~色、食性、観察はかなり難しめ?

まとめ

日本にもいろいろな種類のキツツキが生息していますね。

模様は似ているけれど大きさが違ったり、大きさも色も似ているけれど異なる種類だったり、キツツキの仲間とは思えないような変わったキツツキもいます。

生息地が同じであれば、見分けることは難しいかもしれません。
また、確かに生息しているはずなのになかなか見つけられないこともあるでしょう。

とりあえず木のある場所に向かい、コンコンコンという木を突く音がしないかどうか、耳を澄ましてみるのが観察の近道でもあります。

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