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魚獲りの名人ヤマセミの生態、鳴き声、観察のポイントを解説!カワセミとの違いとは?

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カワセミという鳥の名前は聞いたことがあるけれど、ヤマセミは知らない、という人も多いのではないでしょうか?

それもそのはず。

身近な公園や林になっている場所で気軽に見ることができる野鳥とは、住む場所も暮らしぶりも異なる、私たち人間とっては遠い存在でもあります。

めったに見ることができない珍しい鳥なのですが、可愛らしい姿からは想像できないような行動が、とても魅力的で人気があります。
今回はそんなヤマセミについて、生態や特徴、分布や鳴き声など詳しくご紹介します。

ヤマセミの生態・特徴


ヤマセミはブッポウソウ目カワセミ科に分類される鳥で、体長は約38㎝、翼開長は約67㎝、日本に生息するカワセミ科の鳥では最大の種類です。

ヤマセミは、最近では市街地でも見ることができるようになったカワセミの仲間ですが、そのカワセミの倍の大きさで、よく見かける鳥と比較するとハト程度の大きさがあります。

頭にある大きな冠羽と、白と黒の鹿の子斑(まだら模様)が特徴の鳥で、森の中では保護色となっています。

オスの胸元、頬の下にあるオレンジ色はメスにはありませんが、メスの場合、羽を広げた際の裏側がオレンジ色になっています。

巣は急斜面の土手、土の崖にくちばしで穴を掘って作ります。
20日ほどかけて掘る穴の深さは1mにもなり、産卵期は3~6月で卵数は4~7個です。

食性は動物食、ヤマメやイワナ、ハヤなど清流に棲む魚を水中に飛び込み捕えて食べます。

大きな魚や暴れる魚を捕えた時は、枝に何度も叩きつけて殺したり、骨を砕き軟らかくしてから飲み込むという、ちょっと残酷なシーンが目撃されることもあります。

ヤマセミの分布

ヤマセミはアフガニスタン北東部からヒマラヤ、インドシナ半島北部、中国中部以南、そして日本まで分布している鳥です。
日本では九州以北に分布し、1年を通して見ることができる留鳥に分類されています。

名前についている「ヤマ」は、山地に生息していることを表していますが、冬場になると平地の河川や海岸でも見かけることがあります

清流に棲む魚を捕食することから生息場所は限られており、絶対数が少ない上に警戒心も強いので、滅多に見ることができない鳥として知られています。
流域に3~5㎞の縄張りを持ち、その中に決まったエサ場や休憩所が数か所あることが確認されています。

ヤマセミの観察のポイント


ヤマセミは山間の渓流付近に生息している鳥ですが、生息地に行けばいつでも見ることができるわけではありません。
しっかりと観察したいのならある程度生息地に通うなど、時間がかかる可能性があります。

ヤマセミは非常に警戒心が強いので、見つけたからといっていきなり近付いてはいけません。
撮影する場合は行動パターンを観察し、1週間程度時間をかけたうえで、ヤマセミにストレスを与えない場所・距離を決めるようにします。

ヤマセミを見つけるには、川が蛇行するなど流れが複雑になっている地点の、せりだした枝や倒木に注目します。
そういった地点はエサとなる魚が集まりやすく、ヤマセミの格好のエサ場となっているからです。

ヤマセミとカワセミの違い

ヤマセミとカワセミ、同じブッポウソウ目カワセミ科の鳥ですが、どのような違いがあるのでしょうか?

まず一番大きな違いは体の大きさでしょう。
ヤマセミは体長約38㎝でハトくらいの大きさですが、カワセミはその半分よりも小さく体長約17㎝程度、スズメくらいの大きさです。

また、体色はヤマセミが黒と白のまだら模様で地味なのに対し、カワセミは鮮やかな水色で「飛ぶ宝石」とも呼ばれています。
色では地味なヤマセミですが、頭にはボサボサの長い冠羽があり、これがチャームポイントになっています。

また、生息地にも違いがあります。

名前にある「ヤマ」と「カワ」は生息地を表しており、同じ水辺に棲む鳥ではありますが、ヤマセミは渓谷がある山の奥地、カワセミは下流域に棲んでいます。

他にも、ヤマセミはカワセミよりも寒さに強く、カワセミが厳しい寒さを避けて南に移ることもあるのに対し、ヤマセミは氷点下20度まで下がる北海道の冬でも平気で、川に飛び込み魚を捕えています。

ヤマセミの鳴き声


ヤマセミは飛びながら「キャラッ、キャラッ」や「ケレッ、ケレッ」などと鋭い声で鳴きます。

とまっている時に鳴くことは少ないといいますが、巣の近くでは木の枝や岩の上で「キョッ、キョッ、キョッ」と鳴きます。

巣の前でヒナにエサを与える時も「キョッ、キョッ、キョッ」と鳴きますが、この時は甲高い声になり、エサを与えた後に飛び去る時は別の声で「ヴィッ」と鳴くといいます。

また、ヤマセミは土に穴を掘って巣を作りますが、その際、オスとメスが2羽で鳴き交わし「チィッ、チェッ、チィッ、チェッ」と繰り返すそうです。

ただ、文字に表すと「キャラッ」や「ケレッ」になりますが、聞く人によってはそういう風に聞こえないこともあるようです。

まとめ

ヤマセミは切り立った土手に巣を作る鳥、そこにある土を掘って巣穴にします。

護岸工事などにより穴を掘ることができなくなったリ、釣り人が頻繁に訪れることでせっかく掘った巣穴を放棄することもあるといいます。

繁殖に適した環境がどんどん壊されているヤマセミ、もともと個体数が多くない鳥なのにこれでは将来が心配ですね。
いつまでもその美しい姿を見ることができるよう、ヤマセミを守るための環境保護に力を入れたいものです。

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